記憶術(基本テクニック)

記憶術(基本テクニック)

記憶力を高めるためには、生活習慣を改善するとか、脳がうまく働くような下地を作っておくことが大事ですが、記憶するためのテクニック、いわゆる記憶術も活用すればより効果的です。

以下にご紹介する方法は、いずれも強い記憶をつくるためのテクニックです。

これらの方法に共通することは、脳により多くの刺激を与えることで、効率的に記憶の定着を図るということです。

刺激は多ければ多いほど強い記憶につながります。

以下の方法は一つ一つが基本的な記憶術といってもいいものですが、これらを単独に使用するだけでなく、場合によっては組み合わせて活用してもいいですし、応用して自分オリジナルの方法を編み出してもいいと思います。

ご参考になれば嬉しいです。

場所法

古典的な記憶術だけど最強の記憶術、場所法

最近では、記憶力を競う競技はメモリースポーツとしてテレビに取り上げられる機会も出てきました。

競技としては、シャッフルされた52枚のトランプを記憶する(SPEED CARD)が一番有名でしょう。

こうした競技者はメモリーアスリートと呼ばれていますが、こうした競技者が100%使用している記憶術が「場所法」になります。
ちなみにこの場所法は「記憶の宮殿(Memory Palace)」とか「ジャーニー法(Momory Journey)」などと言われることもあります。

そもそも記憶術の開祖は紀元前6世紀ごろの古代ギリシアのシモニデスと言われていますが、そのシモニデスが使った手法が「場所法」なのです。

その記憶術が現代にまで受け継がれ、メモリーアスリートたちに使われている訳ですから、もはや不変で最強の記憶術と言っていいかもしれません。

場所法は記憶術の王道であり、この方法を使ってトレーニングすれば、誰でも記憶力を高めることができるのです。

「場所法」の実践方法

「場所法」は、設定した場所に記憶したい対象を配置していく方法です。
(自宅や行ったことのある所などの実在の場所だけでなく、架空の場所でも対象と結びつけやすければ何でもいい。)

場所の記憶というのは、動物の本能として長期記憶として留まりやすいため、それを利用するのです。

それでは、具体的なステップを整理してみましょう。

【STEP1】場所を選択する

まず、記憶したい対象を配置する場所をピックアップしていきます。

場所については、実際に思い出してみると相当な場所を記憶していることがわかるでしょう。

例えば、駅から徒歩で自宅まで帰ることを思い浮かべた場合、飲食店、コンビニ、公園、交差点、信号などいろいろな場所の記憶がパッと出てくるのではないでしょうか?

家の中の場所でもいいです。
玄関、グローゼット、洗面所、風呂場、リビング、寝室、ダイニング、キッチン・・・
沢山ありますね。

直近の場所の記憶だけでなく、昔の記憶でも意外なほど場所の記憶が残っていることがわかります。
(自分でも昔住んでいた所や昔行った親戚の家の記憶などはなぜか結構思い出すことができます。)

こうしてピックアップした場所は、グループ化しておきます。

上記のように「自宅までの帰り道のルート」、「家の中」などでグループ化しておき、それぞれのグループの中にいくつもの場所があるイメージです。

【STEP2】場所の順番を決める

STEP1で場所を選択したら、次のステップはその場所を巡る順番を決めます。

例えば、家から帰ってからリビングのソファーでくつろぐまでを導線にして考えてみましょう。

玄関⇒靴箱⇒洗面所⇒廊下⇒クローゼット⇒ソファー・・・

細かく場所を設定しようとすればもっといくつもの場所があると思います。

そうした場所にアクセスする順番を設定するのです。

これで記憶の対象を保管する場所(記憶の宮殿)の設定は完了です。

【STEP3】場所に記憶したい対象を配置する

STEP1で選択た場所に、STEP2で決めた順番に従って、記憶したい対象を置いていきます。

例えば、上記の「玄関⇒靴箱⇒洗面所⇒廊下⇒クローゼット⇒ソファー」を場所として設定し、以下の鳥の名前を記憶しようとした場合についてやってみましょう。

  • カラス
  • すずめ
  • とんび
  • タカ
  • 白鳥
  • ハト

場所の順番に記憶の対象を置いていきます。

  • 玄関⇒カラス
  • 靴箱⇒すずめ
  • 洗面所⇒とんび
  • 廊下⇒タカ
  • クローゼット⇒白鳥
  • ソファー⇒ハト

どうでしょうか・・・

このように6つの記憶の対象であれば、わざわざ場所に置いていかなくてもすぐに記憶できるよ!という人も多いと思います。

ただ、記憶の対象を多くなればなるほど、場所の重要性が増していくことになります。

場所は記憶の対象を留めておき、取り出すことのできる保管場所、フックのような役割を果たします。

これだけでも記憶しやすくなりますが、更にコツがあります。

場所と記憶の対象を結びつける

玄関⇒カラス、靴箱⇒すずめ・・・
と単純に記憶の対象を場所に置いておいても、なかなかイメージしにくいと感じる人が多いと思います。

そこで、よりイメージを残しやすくするために、ストーリーを作って記憶のフックを強化するのです。

どんなストーリーでもいいですが、よりインパクトのある方が効果的です。(非現実的でOKです。)

例えば、

帰り道でカラスに追いかけられてようやく玄関にたどり着き、
脱いだ靴を入れようと靴箱を開けるとすずめが飛び出してきて驚いた。
洗面所とんびの形をした石鹸で手を洗い、
廊下に出るとタカ.の置物と目が合った。
洋服を脱いでクローゼットを開けると白鳥のドレスがあったので、
それを着てソファーに座ると、なぜかハトのフンが落ちてきて、ドレスが汚れた。

このように適当でもいいのでインパクトのあるストーリーをイメージしておいて場所を辿ると、記憶の対象が引き出しやすくなります。

【注意点】

「場所法」には一つだけ注意点があります。
一つの場所には多くの記憶したい対象を置けないということです。

一つの場所に多くの記憶対象を置いてしまうと、そこからその記憶を取り出しにくくなるのです。

そのためにメモリーアスリートのような競技者はかなり多くの場所をレパートリーとしてもっています。

どれだけ多くの使える場所を持っているかが、「場所法」にとって非常に重要なポイントの一つになります。

最後に

こうやって文字で読んでいるだけでは、それこそあまりイメージがわかないと思いますので、実践あるのみです。

トレーニングすればするほど慣れてきて、多くの記憶の対象でもスムーズに覚えられることを実感できるようになるでしょう。

Let’s practice!

関連付け(連想法)

記憶術の基本的なテクニックとして、関連付け(連想法)があります。

関連付けについては、勉強した経験で多くの人が利用したことがあるテクニックだと思います。

関連付ける方法はどのような方法でも構いません。

関連付けることが多ければ、それだけ思い出すのに効果的になります。

ここでは代表的なものを取り上げてみましょう。

語呂合わせ

これは、特に数字を覚えたりするのに使いますよね。

自分が習った歴史の年号でも、
「なんと「710」大きな平城京」とか
「いいくに(1192)つくろう鎌倉幕府」とか
「ひとよむな(1467)しい応仁の乱」とか
いろいろありました。

余談ですが、今は鎌倉幕府が成立したのは1192年じゃなくて、1185年みたいですね。
(他にも自分が昔習っていた歴史とは異なる見解が今では支持されているものが結構あるみたいです。)

年号だけじゃなく、数学でも平方根なんかは語呂合わせを良く聞きました。

2の平方根は1.41421356(ひとよひとよにひとみごろ)
3の平方根は 1.7320508075(ひとなみにおごれやおなご)
みたいな感じです。

多分それ以外にも電話番号とか、自分オリジナルの語呂合わせで覚えている人も結構いるかもしれませんね。

このように、関連性のない数字などの羅列を文章で関連付けたりすることで、思い出しやすくなるのです。

物語法

これも語呂合わせとも言えますが、有名なものとしては、元素記号の覚え方があります。

化学の勉強をしたことがある人なら、誰でも使ったんじゃないでしょうか?

「すいへいりーべぼくのふね・・・」で始まるやつです。

水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素と続く元素記号を物語にのせて覚えていく方法です。

他には円周率の覚え方も語呂合わせというか、物語法ですね。

「産医師異国に向かう産後薬なく・・・」で始まります。
3.14159265358979・・・

物語が面白ければ、それだけ覚えていられる確率が高まります。

物語法は自分の工夫次第で、通常ではとても覚えていられないような意味をなさないものまで覚えられるかもしれません。

その他

上記以外にも関連づけは工夫次第でいくらでもできます。

「名前を覚える方法」でも取り上げていますが、人を覚えるなら「芸能人の○○に似ている」とか「中野さんだったら中野駅」とか、自分の頭の中から情報を引き出しやすいようにフックをいくつも付けていくのです。

記憶術(対象別テクニック)
具体的なシチュエーションに応じた記憶術のテクニックを以下にいくつかご紹介したいと思います。 生活のいろいろな場面で活用いただけると思います。 名前を覚える方法 人の名前と顔を覚えていることって、とても重要ですよね。...

関連づけはまったく意味のないこじつけでも構いません。
というより、わけのわからない自分オリジナルのこじつけの方が記憶という意味では意外にプラスになると思います。

なぜなら、ありきたりの関連づけでは脳に大きな刺激を与えない、つまり強い記憶になりにくい可能性があるからです。
それが、自分だけにしか連想できないような無理やりなこじつけの場合にはそのインパクトが脳にとっての大きな刺激になるため、記憶されやすくなると考えられるからです。

結局、関連付けや連想は自分のための思い出すためのフックなので、自分さえわかればいいのです。

それから関連づけや連想をする場合には、脳内で視覚的なイメージをつくるとより効果的になります。

関連付けや連想によるフックをつけるということは、最初慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、これはトレーニング次第でどんどん楽にできるようになります。

ゲーム感覚で楽しんで取り組んでいけば、習慣化できてくるのではないかと思います。

イメージ化

記憶する情報は、文字の場合とイメージの場合では、イメージの方が圧倒的に覚えやすくなります。

教科書が文字情報だけでなく、図解やイメージを多用しているのは、理解を深めると同時に、記憶の定着を促進しやすいということがあります。

文字情報だけでは単調で脳への刺激は少なくなります。

そこに関連するイメージがあれば覚えやすくなるわけです。

もし関連するイメージがなければ、自分自身で作り上げるという方法も役立ちます。

それは頭の中で想像するということだけでも構いません。

ある情報を記憶したいなら、その情報と関連するイメージを具体的に頭の中に思い描くのです。

これだけでも効果は上がるはずです。

何か情報を思い出したい時は、イメージから思い出して、そこから関連する情報が引き出せるようになります。

文字情報は左脳を使いますが、イメージの情報は右脳が働きます。

一説には右脳は左脳の100万倍の記憶能力をもっていると言われていますので、イメージを活用して、右脳を活用できれば、記憶力はかなり向上できるはずです。

このサイトでレビューしているジニアス記憶術ですが、これは速読のノウハウを活用して右脳活性化を図ることが根幹となっていますので、まさにこのイメージ化を採り入れた記憶術と言えます。

グループ分け(分類・体系化)

たくさんの情報を記憶しようとする場合には、情報を整理して、グループ分けしたり、体系化すると覚えやすくなります。

これは何かを学習してにノートに情報を整理する時に誰でも情報を自分なりの方法でグループ分けしたり、体系化したり、しているはずなのでイメージできると思います。

電話番号なども「03-1234-5678」というようにハイフンで区切っているのもグループ分けで覚えやすくしているとも言えます。
実際10桁そのままおぼえるよりも、区切った方が覚えやすいと感じると思います。

情報をグループ分けする際には、脳が明確に区別できるように、グループ分けと同時に区分するための補助的なフックとつけておくとより覚えやすくなります。

例えば、色で分けるとか、です。
あるグループは赤、そしてもう一つは青といった感じです。

情報は似た情報だと混同して覚えにくくなるので、何らかの方法で区別して上げると記憶しやすくなります。

自分の覚えやすい方法というのがあるはずなので、工夫してどんどん記憶力はアップさせていきましょう。

【番外編】自信や満足感は脳のご馳走

これは記憶術というべきテクニック的なものとは違いますが、結構大事なんじゃないかと思います。

効果的な学習にはモチベーションの継続が必要ですが、モチベーションにとっては自信や満足感がエネルギーになります。

人間には「報酬脳」という機能があると言われています。

脳にとっての報酬とは、

  • 人や社会から自分が認められた
  • 先生など他人から褒められた
  • いい結果で自分に自信を持てた

等々
自分自身の精神的な満足感です。

このような精神的にポジティブな状態は、脳にとって大きくプラスに働きます。

つまり、記憶という観点から見ても大きなプラスになるということです。

自分の場合にも、できなかったことに目を向けがちで、そんな自分に満足できず、モチベーションが下がることが多いですが、脳にご馳走を与えるためにも、意識的に自分を褒める必要があると感じています。

自分にもできるという自信、褒められた、認められたという精神的な満足感によりモチベーションが継続すれば、もっと覚えることができる、もっと学習したい、というように、前向きな行動につながります。

自分は勉強なんかできるわけない、記憶力が悪いから無理、というようなネガティブな状態では、自分の潜在能力が出せる訳がありません。

自分の潜在能力を最初から過小評価して決めつけないようにしましょう。

以上のことから、
集団で学習している場合には、このような人間の報酬脳の機能を生かすような方法を考えてみんなで実践していくことが必要でしょうし、自分一人で学習している場合でも、自分自身で意識して、自分を褒めたり、実際にご褒美みたいなもの与えるような方法を見出していく必要があると思います。

例えば、あらかじめ達成ポイントをいくつも決めておいて、それを達成したら、何らかのご褒美(自分にとって嬉しいものなら何でも)が与えられるとか・・・

ちょっと記憶術というポイントからずれてしまった感はありますが、記憶は学習のベースになるものなので、このようなマインド的なことも必要でないかと思って取り上げてみました。

さあ、自分の報酬脳にご褒美を与えましょう!

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