記憶に反復法は有効か?

記憶に反復法は有効か?

反復さえやっていれば記憶に有効なのか?

「記憶と忘却と時間」のページで、エビングハウスの忘却曲線について触れていますが、この実験からわかる通り、学習してからほったらかしでそのままにしておくと、時間という消しゴムが記憶を消し去っていくだけということがわかると思います。

記憶と忘却と時間の関係
記憶と忘却と時間の関係について、エビングハウスの忘却曲線を取り上げながら解説します。

これに抵抗する手段が反復という手段です。

あなたも勉強する時に必ず復習をしていたのではないでしょうか?

復習=反復の学習方法は、まさに基本的な学習方法です。

したがって、普段勉強していなくて、試験前日になって一夜漬けという勉強法は、記憶を定着させるという意味では非常に効率の悪い方法になります。
(例え、試験の成績がある程度良かったからと言って・・・)

学習は普段からコツコツと復習を繰り返して行う、これが基本になります。

このように情報を短期記憶から長期記憶に定着させる、つまり強い記憶を意識的につくるためには、脳内の刺激を繰り返し行うことが重要になってきますから、記憶における反復法は有効だと言えるのですが、
反復法と一口に言っても、どのように反復しても同じような効果が出るというわけではありません。

一つ言えることは、「記憶における海馬・前頭葉・側頭葉の役割」のページで取り上げたように、海馬が記憶しているような段階で、反復学習してもあまり効果がないということです。

記憶における海馬・前頭葉・側頭葉の役割
海馬、前頭葉、側頭葉が記憶のプロセスにおいてどのように関わっているのかをご説明します。

なぜなら、海馬が記憶していれば、長期記憶の保存庫である側頭葉が刺激されることがないからです。
これでは強い記憶はできません。

ここで、またエビングハウスの忘却曲線を思い出してみましょう。

これによると
1時間後には56%忘れていて、1日後には74%忘れてしまう
となっています。

このデータからは、つまり、こういうことが言えると思います。
一晩寝た後の次の日の復習はマストだと。

睡眠が記憶の整理と定着に大きな役割を果たしていることは「睡眠と脳」で取り上げましたが、その睡眠を1回はさんで、次の日7割以上忘れている段階において、復習することで、長期記憶にかかわる側頭葉を刺激するのは非常に効果があると言えます。

睡眠と脳
記憶力向上のためにはテクニックだけでなく、生活習慣の改善も重要です。ここでは睡眠と脳の働きの関係についてご説明します。

もちろん、5割以上忘れている1時間後に復習するのもいいと思いますが、必ず復習しなければならないとすれば、それは翌日だと言えるのではないでしょうか。

そして、その後復習する間隔は長くしていくのが基本だと思います。

なぜなら、忘却スピードが緩やかになっていくので。

このように反復して学習することは効果的なことは間違いありませんが、より効果を上げるためには、そのタイミングについては工夫していく必要があると思います。

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